Johnson Lifelog | Cornell MBA 留学記

コーネル大学ジョンソン経営大学院にてMBA留学中。コーネルMBAの合格体験記、留学生活の紹介に加え、ホスピタリティ、デザイン関連のトピックを扱います。

【MBA1年目総括_2】1年目の科目 & ベスト5

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Johnsonのカリキュラムの設計としては、1年目の秋学期中にコア科目の大半を終え(1科目7週間をかけて勉強します)、春学期はイマージョンとエレクティブといったより専門的な内容となります。

私がJohnson の1年目で選択したクラスをひと通り並べてみると・・・ 

 

【コア(必修)】
Financial Accounting
Data Analytics and Modeling
Microeconomics for Management (Robert H. Frank)
Marketing Management
Leading Teams
Critical Strategic Thinking (Risa M. Mish)
Managerial Finance
Managing Operations
Strategy

【イマージョン(専攻)】

Sustainable Global Enterprise Practicum (Mark B. Milstein)
Strategies for Sustainability

【エレクティブ(選択)】

Entrepreneurship in Creative Industries (Mukti Khaire)
Cases in Business Strategy (Hernan J.F. Saenz, III)
Hospitality, Health and Design Industry Immersion Seminar
Interpersonal Communications
Finance & SGE Colloquium

 

また、上記の太字になっているクラスが、個人的な Best 5 です。簡単に内容をご紹介すると…

Microeconomics for Management

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1年目の秋学期の前半という入学直後に受講するコア科目。Robert H. Frank教授は2005年より10年以上に渡ってThe New York Timesにコラムを執筆しています。

経済学自体の解説が優れているというよりも(色々なテーマをランダムに扱っていて体系的ではないと評価するクラスメイトも…)それら経済学の視点を持ってどの様に現実社会を見るかであったり、人生において運がどれほど影響を及ぼすか、人生がいかに大変か、といったような若干脱線したような話が面白かったです。

 

Critical Strategic Thinking

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ローファームのパートナーからJohnson の教授に転身した Risa M. Mish教授が教えるコア科目。Leading well requires thinking well.という考えのもと、論理的かつ説得力の有る主張、論理矛盾への理解を通した問題解決のトレーニングを実施。また、マクロなコンテクスト、企業の戦略、そして人材、業務、文化、組織のどの部分の不調和がパフォーマンスの低下をもたらしているかを洗い出す congruence model について学びます。

Risa Mish はとにかくエネルギッシュかつ弁が立つ、The アメリカの弁護士(完全に先入観)といったイメージで、説得力&パッションある話し方は多くの学生の信頼を得ています。クラス以外にも、ケースコンペティションでの戦略、インターンシップに向けた準備等、多くの講座を担当しています。

 

Sustainable Global Enterprise Practicum

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Mark B. Milstein教授率いる、Johnson の名物イマージョン(と、勝手に思っています笑)SGEについては、Johnson日本人サイトへ体験談を記載しましたので、そちらを転載します。

一言で言えば、企業が事業を行う上で、経済的、社会的、環境的な外部性をどの様にバランスとるかは、重要かつ根源的な課題ではあるものの、ぱっと答えを出してくれるフレームワークなど存在しないし、そんな簡単な問題ではありません。さぁ、どうしよう?というクラスです。

Sustainable Global Enterprise (SGE)は、単にサステナビリティについて学ぶものではなく、企業活動の結果生じる経済的・社会的・環境的なインパクトについてどのようにバランスを取っていくかという答えのない本質的な課題に向き合い、学生3~4名1チームで、5ヶ月間をかけてクライアントへの提案を作り上げていくImmersionです。

初めからコンテクストやデータが上手くまとまったケースを読んでフレームワークを当てはめるものとは異なり、リアルかつ複雑なクライアントの経営課題に対するコンサルティングプロジェクトとなっている点がSGEの最大の魅力です。プロジェクトの内容も、サステナビリティ戦略立案、サステナビリティマーケティング、エネルギー関連技術のマネタイズ、サステナビリティファンド等、多岐にわたっているため、コア科目や選択科目での学びや、論理的思考、プレゼンテーション能力等を総合的に応用することが求められます。

一例として、自分のプロジェクトは、eBayというオンラインマーケットプレイスをクライアントとし、サステナビリティへの取組がミレニアル世代の顧客獲得のフックとなりうるかの検証、そして具体的なマーケティング戦略の立案を行いました。チームは4名で、うち1名は公共政策大学院MPA生でした(MBA以外の生徒が30%程参加するのもSGEのユニークなところです)1月頭のクライアントとの顔合わせを皮切りに、業界・企業分析、課題の抽出、仮説の設定、一次調査・二次調査、仮説の検証、提案項目検討等を日々進め、5月に最終プレゼン、レポート納品となります。

週2回のクラスに加え、1月頭のブートキャンプ(集中講座)、2回のトレック(NYCとDCへの企業訪問)、ほぼ毎週の課題、授業外での各ミーティング(グループ、クライアント、教授)、3回のプレゼン、そして最終レポートと負荷はとても高いですが、これまでの社会人経験を踏まえても、とても実践的なプログラムであったと思います。

 

Entrepreneurship in Creative Industries

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Mukti Khaire 教授はHBSよりCornell Techが引き抜いたCreative industry/ business の研究における第一人者で、このクラスを教えるために毎週NYCからイサカまで来てくれます。

象徴的価値が物質的価値を上回る Creative goods におけるビジネスにおいて、収益性と文化、アートといった対極的な側面をいかにビジネスに落とし込むかについて、自身がHBS時代に執筆したビジネスケースを用いて講義が進められます。具体的な事例の比較や議論を通して、Creative industry に共通する抽象的な概念を導くケースの進め方がとてもうまく、これがケースか、と思わず感じました。

また、以前記事にしたように、ケースディスカッションの後にZoomを通じて実際に当事者から話を聞く機会も多く用意されており、よりリアルなケースディスカッションとなっております。

f52mba.hateblo.jp

Cases in Business Strategy

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Hernan J.F. Saenz, III 氏は現役のBainのマネージングパートナーであり、まさにBainのアソシエイトが学ぶ様な内容を週末4回のクラスで提供してくれます。

Strategy や Marketing で学んだフレームワークが、どの様に実務で活用されているのかについて学ぶことができます。これまでの多数のコンサルティングの蓄積を基に、(大)企業が取るべき戦略についてシンプルかつ明確に提示しており、クラスメイトからも His slide deck is a gold. と言われるほど、今後の実務に応用できるクラスでした。自分も大事に保管して見返しています。

 

2年目からは、ほぼ全てが選択科目となり、よりバラエティある学びができそうです。Johnson で学ぶ科目のイメージが少しでも湧けば幸いです。