今学期受講しているクラスの中に、Entrepreneurship in Creative Industries というものがあります。
これは、ファッション、アート、出版、レストラン、音楽、映画といった、主観的かつ複雑な付加価値構造をもつ Creative industry において、どの様にそのシステムを理解し、経済的価値を実現していくか、というケースベースのクラスです。
毎クラス2本のケースをディスカッションするのですが、今日はそのうちの1本がNoma(ノーマ)というデンマーク・コペンハーゲンのレストランについてでした。
共同オーナーかつシェフのRené Redzepi氏を筆頭に、地域食材を使用した新たな北欧料理への追求が世界的に評価され、Restaurant Magazine による The World's 50 Best Restaurants において1位を4回獲得、ミシュランでは二つ星獲得など、世界一と称されることも多いNomaですが、2015年には本店を休業し、マンダリンオリエンタル東京へ期間限定店舗を出したことでも大きなニュースとなりました。(ボタンエビにアリ、といえばご記憶に有る方いらっしゃるかも知れません)
そんなNomaについて、食材への追求、常に新たなメニューのR&D、顧客体験を追求する一方で、決して高くない利益率の中、どの様にビジネスをスケールさせるべきか(あるいはさせないべきか)といった内容についてディスカッションをした後、実際にケースにも出てくるNomaの投資家とZoomで教室をつなぎ、投資家からの目線での話を聞き、質疑応答をするという貴重な経験ができました。
と、それだけでも非常に興味深いクラスだったのですが、その約8時間後、以下のニュースが発表され、あまりの偶然にびっくりしました。
R&D部門のSouschefであったThomas Frebel氏が、KADOKAWAとパートナーシップを組み、東京・飯田橋のKADOKAWAのビルにレストラン「INUA」をオープンするとのことです。
授業と同日というタイミングは全くの偶然でしたが、実際にケースで学んだ内容について、当事者から話を聞き、さらにはその後のリアルな展開として日本が選ばれ、かつそのパートナーが他のCreativeビジネスであったということで、ケースとリアルがつながった、非常に印象に残るクラスとなりました。
来週のクラスでどの様に議論が深まるか楽しみです。