受験にあたり、TOEFLよりもIELTSの方がスコアを出しやすいと感じた体験談です。
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そんなわけで、以下が、TOEFLからIELTSへと転向し出願スコア7.5を獲得した私が感じた、IELTSがTOEFLよりもスコアメイクをしやすい理由と、IELTSの難点です。
Speakingが楽(テンプレ暗記が苦手な私には...)
TOEFLがマイクに向かって答えを録音するのに対し、IELTSは面接試験(英検のように面接官と1対1で話す)です。特にテンプレートの暗記の必要もなく(逆を返せば、テンプレがはまらずに焦る必要もなく)通常の会話の中でレベルを評価してもらえることがとても楽でした。
また、身振り手振り、表情等を活用したコミュニケーションができるので(実際に採点に影響があったかはわかりませんが)なんの反応もない機械に向かってただただ話すよりも、自分の言いたい事は伝え易いはず。
一方で、私は、面接官との相性によってパフォーマンスが結構ぶれました。面接官がフレンドリーで、面接前後の雑談が盛り上がった時には7.5だったスピーキングも、試験官として最低限のコミュニケーションしか取ってくれない&無表情な面接官の時には6.0と撃沈。この辺のぶれをなくす為には、しっかりと事前準備と練習が欠かせないのかと思います。
紙の試験(PCではなく)が楽
英語の読解問題において、本文のキーワードに印を付けたりメモを取りながら読む癖がついていた(大学受験勉強で)私にとっては、PCではなく紙と鉛筆の試験の方が解きやすく感じました。※ただ、結局GMATにてPC上でRCをかなりのスピートで読まなければいけないので、なるべく早くこの癖は脱するべき!!
また、Listeningにおいては、問題冊子のページをめくって問題文を先読みできることがとても有利に働いたと思います。IELTSのリスニングは、問題文の先読み、回答の予測、パラフレーズのイメージ等、テクニックが通じやすいタイプの問題だと思います。
偏った(?)TOEFLとIELTSの換算レベル
これは、今後換算レベルが変更となる可能性もあるので、必ずご自身でご確認を頂きたいのですが、両方のテストを受けた体験からすると、以下のようなMBAのミニマムスコアにおいては、IELTSのスコアが若干過大評価されているようなイメージを持ちました。
例えば、HBSでは、TOEFL:109 と IELTS:7.5 が同レベルの扱い。*1
The MBA Admissions Board discourages any candidate with a TOEFL score lower than 109 on the iBT, an IELTS score lower than 7.5, or a PTE score lower than 75 from applying.
Stanfordでは、TOEFL:100 と IELTS:7.0 が同レベルの扱い。*2
Test Minimum Score TOEFL 100 for the internet-based test (iBT) 600 for the paper-based test (PBT) IELTS 7.0 overall band score PTE (Academic) 68 overall score
一方で、IELTSの方が難しく感じるパートも。
人間が深く採点をするWriting
人とコンピューターの併用であるTOEFL Writingの採点に対し、IELTSでは人間のみが採点をします。これによりIELTS Writingでは、表面上のつづりの正確さ、語彙の豊富さを評価してくれるコンピューター採点と異なり、かなり深い構成やロジック展開までが採点対象をなるそうで、スコアメイクがしづらくなる事が多いそうです。(私は、どちらにせよWritingが苦手だったのですが、予備校の先生によるとこの傾向は一般的なようでした。)
上記のような点を踏まえ、私は、今後も換算レベルが変わらない限りにおいては、IELTSをお勧めします。あくまで、English Proficiency Testとしてどちらが優れているか、という観点ではなく、英語を母国語としない私のような人間にとってどちらがスコアメイクをしやすいか、という観点での個人的な見解です。
一方で、合格者体験談等を見ても、あまりIELTSで出願をしている人を見ないのは、IELTSで出願できる学校が増えてきたのがここ数年だということ以上に、欧米TOP校を目指し、GMAT含めスコアメイクをする出願者の多くは、TOEFL100(または105)を正面突破できるレベルの方々なのかな、という印象を持っているということも申し添えます。